FPブログ

ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持つ私が、本業と一線を画し、ボランティア活動として、いろいろ語ります。皆様のお役に立てたらいいな♪

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配当所得の税務申告実務(その1)

2006.01.28.Sat
配当所得を確定申告するか
の続編とお考えください。
配当所得を申告して配当控除を受けるには、確定申告が必要です。

確定申告は自書申告制となっております。
申告者は税法や通達に関して全て熟知したうえで申告するという前提があります。
また、申告会場の職員がタッチパネル操作を補助したような場合であっても、
あくまでも自書申告として提出するものです。
(申告書と控に押印するのは、そのためです)
どこまでも自己責任であることを頭に置いて、当記事をお読みください。


まずは、申告できる配当所得を把握しましょう。
配当金領収証のコピーを残してあれば万全ですが、
覚えていないのであれば、ご自身で調べましょう。
配当権利取りをした銘柄・株数・1株あたりの配当金額は、
証券会社の取引履歴検索や取引報告書、会社四季報などで調べられるはずです。
正確な配当金を把握せずに申告するのは、虚偽申告である可能性が極めて高いので、厳に慎みましょう。

次に、申告する配当所得と申告しない配当所得に振り分けます。
多くの方は、申告するなら全部を確定申告書に反映させるでしょう。
しかし、所得38万円以内を維持する必要性や、
申告の損得分岐点付近の所得額である方は、
綿密にシミュレートしましょう。

申告する配当所得については、受け取りを証明する書類の添付は義務付けられていません。
しかし、どの銘柄から何円の配当金が出て、所得税と住民税が何円源泉徴収されたという詳細を明記する計算書は、
ご自身で作成して添付するように心掛けましょう。
配当の受取件数が少なくて、確定申告書に記載できる場合は、
計算書を作成しなくても十分です。

確定申告書には、簡易な申告用紙である「確定申告書A」、
様々な申告に使える「確定申告書B」、
分離課税申告の際に使う「申告書(分離課税用)」などがあります。
申告書A・Bには、金額(数字)を中心に記載する「第一表」と
所得の支払者や扶養家族などを記載する「第二表」があります。
分離課税用は「第三表」と呼ばれています。

確定申告書記入は、第二表を先に書くと、いいでしょう。
申告しないでもよいこととされている所得
(源泉徴収のみで終了できる所得・申告不要な非課税所得など)
以外は、申告すべき所得です。ひととおり第二表に記載します。
記載しきれない場合は、別表として所得の内訳書を作成します。

ここまで、国税庁のホームページ内『確定申告書等情報』を参照ください。
各種帳票・所得税の確定申告の手引き等を入手できますよ(^^)
(帳票はPDFファイルとなっています)

-------------------------------

ここからが本題。
配当所得の申告実務は、手引きを読んでもピンと来ないので、
こうして記事にしているわけです。
読みやすいように、あえて簡潔に書くことにします。

配当所得は、
1.第二表「所得の内訳(源泉徴収税額)」欄に銘柄(会社名)・
  収入金額(税引き前の金額)、(所得税の)源泉徴収税額を書く。
2.第二表「配当所得に関する事項」として、
  銘柄・収入金額・必要経費等・差引金額を書く。
  通常、必要経費は0円なので、収入金額と差引金額は一致する。
3.住民税3%部分の金額は、第二表○住民税・事業税に関する事項内の
  「住民税 配当割額控除額」欄に記載する。
4.配当収入額と配当所得額をそれぞれ、第一表の
  「収入金額等」「所得金額」欄に記載する。
5.「配当控除」欄に、配当控除額を記載する。
  所得1,000万円以下であれば、配当所得額の1割(小数点以下切り上げ)を記載する。
6.所得税7%が源泉徴収されているので、源泉所得税額欄に加算する。

…という具合です。
日を改めて、給与所得者の配当所得申告を取り上げてみようと思います。
今回の記事だけでは、確定申告が初めてという方には、
全然ピンと来ませんよね(^_^;)
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60歳定年以降の有利な働き方

2006.01.23.Mon
定年以降の働き方に関する質問をいただきましたので、
回答を兼ねて記事を書きます(^^)

ご質問を要約しますと、
 ・会社の上司が1月末に定年を迎える。
 ・上司は定年後、個人事業主として会社に残る予定。
  これは上司と会社にとって有利な方法なのか。
 ・個人事業主になる時にすべきことは何か。

ウーン、上司を大切になさる温かいコメントなのに、
要約文にすると味気ないです…(^_^;)

質問の「定年」が60歳到達時を指すと仮定して、
当ブログの回答を進めます。


定年後も仕事させてくれるのは、大変良いことと思います。
会社や職場に恵まれていますね。
ただ、定年直後に個人事業主として会社に残るのは、
会社側には有利であっても、上司には不利と見ています。
定年退職後は「従業員の雇用」から「対等な契約関係」になるため、
いろいろなことが起こります。

 会社に有利な点
  ・厚生年金や健康保険の使用者分(保険料の半額)を負担せずに済む。
  ・雇用保険や労災保険に加入させる必要がなくなる…こちらも保険料負担減。
  ・交通費も支給する必要がなくなる。

 上司に不利な点
  ・健康保険の保険料が全額自己負担になる。
  ・個人事業主は雇用保険や労災保険に加入できない。
  ・経費は実費計上できるものの、給与所得控除より不利になりがち。
  ・事業主になることは、継続雇用でも失業でもなく、
   雇用保険から1円も給付を受けられない。
  ・60歳未満の配偶者がいたら、国民年金第3号被保険者でなくなるため、
   その方の国民年金保険料を負担しなければならない。

そこで提案したいのが、高年齢雇用継続給付制度を活用する方法です。
高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満で、
雇用保険の被保険者であった期間が5年以上の者に対し、
賃金が60歳時点に比べ75%未満の賃金で就労している場合に、
各月に支払われた賃金額に最大15%を乗じた額を支給するものです。

例えば、60歳時点での給料が毎月30万円の方が、
定年退職以降、毎月18万円の給料で雇用継続されると、
18万円の15%である27,000円が(最長5年間)
雇用保険より本人に支給されます。

詳しくは、厚生労働省神奈川県労働局のページ内
「雇用継続給付のQ&A」をご参考ください。
http://www.kana-rou.go.jp/users/antei/hoken2.htm

上記の制度を活用するということは、
会社が上司を継続雇用する必要があるので、
週30時間以上の労働であれば
社会保険(厚生年金・健康保険・雇用保険・労災保険)の
保険料負担も発生します。
会社には給与以外の負担が残るのです。
労働者側が給料面で多少譲歩しても、
給与所得者のままでいるほうが有利だと思います。

なお、個人事業主になる場合は、個人事業開始届を税務署に提出します。
(県税事務所や市区町村にも回送されます)
また、青色申告(複式簿記による会計処理が必須)を
なさる場合は、開業から2ヶ月以内に税務署へ
青色申告事業開始届を提出しましょう。


高年齢雇用継続給付制度を知らなかったり、
会社の担当者が教えてくれないと、
継続雇用の話があっても、その有難味に気づかないことでしょう。
定年間近の方が周りにいたら、ぜひ教えてあげてくださいね(^^)

勉強会に行ってきました

2006.01.22.Sun
1月21日夕方、スタディ・グループ(略してSG)と呼ばれる、
ファイナンシャル・プランナーの勉強会へ参加しました。

日本FP協会が認定するFP資格には、
国内ライセンスであるAFP(アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)と、
国際ライセンスであるCFP(R)(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)
があって、それぞれ2年で更新します。
更新には継続研修が必要(AFPで15単位、CFP(R)で30単位)です。
つまり、常に最新の知識や情報を入手しなければならないのです。

勉強会(SG)の参加目的が単位取得にある方もいます。
しかし、単位だけではなく、人脈を広げたり、
ボランティア活動を通じて相談業務を経験したりするチャンスがあります。
単位やお金には変えられない、価値あるものを身に付けることができるのです。

本業最優先なのは言うまでもありませんが、
SGを通じてFP活動の領域を広げることで、
自分の可能性をさらに切り開けるように思います(^^)

…気が付けば、いつもより記事の分量が少ないですね(^_^;

特定口座・源泉徴収あり(その2)

2006.01.20.Fri
特定口座・源泉徴収あり
の続編と言いますか、基礎の確認です。

当ブログのイチオシである
「所得38万円以下で還付申告」の作戦は、
国税庁が発行している
平成17年分 株式等の譲渡所得等の申告のしかた(記載例)
38ページに明記されています。これを転記しますと、

※ 総所得金額等から控除しきれない雑損控除、医療費控除、
 配偶者控除、基礎控除などの所得控除の金額がある場合には、
 その控除しきれない金額を株式等に係る譲渡所得等の金額から
 控除します。(以下略)

所得金額を減らすのですから、支払うべき所得税が減り、
納めすぎの金額は還付を受けられるのです(^^)

ちなみに、所得38万円以下の方については、
下記の読売新聞のページにも書かれています。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/zeikin/20050414mk11.htm
プロの文章は、要点がまとまっていますね。見習わないと(^^;

また、当ブログでは、基礎控除を活用できる方として
専業主婦にスポットライトを当てていますが、
無収入の学生さんなどの被扶養者にも
同様のことが当てはまります。

所得38万円以内に抑える作戦の方に関しては、
口座は全て「特定口座(源泉徴収あり)」を推奨しています。
しかし、一部の口座が源泉徴収なしであっても、
その口座が株式等譲渡所得38万円を超えないように注意すれば、
それで構わないと思います。
むしろ、そういう方は、この機会に新たな証券口座を開設して、
「特定口座(源泉徴収あり)」を増やしちゃいましょう。
口座数が増えれば、申告と源泉徴収のみを取捨選択
することが可能になります。
それだけ節税のチャンスが増えますよ(^^)

専業主婦と株式売買益(その4)

2006.01.08.Sun
大変好評をいただいているシリーズ、
専業主婦と株式売買益(その3)
http://koyamazon.blog20.fc2.com/blog-entry-50.html
の続編です。

当ブログ読者様よりご質問をいただいております。
その回答を兼ねて、新しい記事を書きます。


「その3」にて、特定口座(源泉徴収あり)で株式売買すると、
確定申告する取引口座と、源泉徴収のみで終了する取引口座を
選ぶことができるという話を書きました。

昨年中は一般口座あるいは「特定口座(源泉徴収なし)」で取引していても、
今年になってから売却・信用取引の差金決済をしていなければ、
「特定口座(源泉徴収口座)」に変更可能です。
証券会社に手続書類を請求し、作成のうえ返送しましょう。
一般口座にある株式の移管には、購入価格を証明する取引報告書を添付します。


いただいたご質問では、取引口座は全部「特定口座(源泉徴収なし)」で、
うち1社の口座は今年に入ってからの売却があり、
口座の変更ができなくなっているとのこと。

取引口座全部が「特定口座(源泉徴収口座)」となっていれば、
どの口座も源泉徴収のみを選ぶことができます。
しかし、一部の口座だけ「特定口座(源泉徴収なし)」を選択している場合は、
その口座の株取引利益は基本的に確定申告が必要です。
下記4つのどれかに作戦を絞り込むのが得策です。
  作戦1.「源泉徴収なし」の取引を含め、
      所得38万円以内に抑えて確定申告する
  作戦2.確定申告不要に持ち込む=給与所得以外の所得を20万円以下にする
      ※地方税法では、所得20万円以下であっても住民税申告は必要です
  作戦3.他証券会社の「源泉徴収口座」へ移管した後に売却する
  作戦4.何が何でも今年は売らず、利益確定は翌年以降にする


それでは、例題について考えてみましょう。
例4(専業主婦):
株取引利益以外に所得がない。配当金受取は0円。
B証券は特定口座(源泉徴収なし)、B以外の口座は源泉徴収あり
A証券…株式等譲渡所得48万円(源泉徴収済所得税33,600円・住民税14,400円)
B証券…株式等譲渡所得27万円(源泉徴収なし)
C証券…株式等譲渡所得 5万円(源泉徴収済所得税3,500円・住民税1,500円)
D証券…株式等譲渡所得10万円(源泉徴収済所得税7,000円・住民税3,000円)
E証券…株式等譲渡所得▲10万円(源泉徴収済所得税0円・住民税0円)

作戦1を採用すると、B証券の取引は申告必須です。
また、損失が出ているE証券の取引は、申告すれば利益との相殺ができます
そのため、B・C・D・E証券の取引を確定申告して、
申告所得を32万円にするのが有利
です。
(A証券の取引は源泉徴収のみで終了させます)
確定申告したことで、所得税が10,500円、住民税が4,500円還付されます

作戦2を採用すると、B証券とE証券の取引を申告すべき所得(17万円)と考えて、
A・C・D証券の取引は源泉徴収のみと判断します。
BとEあわせて20万円以下ですから、確定申告不要です。
結果、確定申告しない代わりに、還付は0円です。

作戦3・4は、利益確定する前の話なので、ここでは除外。
作戦1の要領で申告するのが最善です。

なお、AとEのみ申告すると、
申告義務のあるB証券での取引が申告漏れ
となっています。
国税庁に申告漏れを指摘されて修正申告に応じた場合、
本来納める税額だけでなく、無申告加算税10%が発生します。
所得38万円を超えるので、ご主人も修正申告が必要となります。
さらに、ご主人の勤務先から支給されている扶養手当が
減らされることも考えられます。
後々大変厄介なことになりますから、注意しましょう。

※参考:証券会社の税務取扱
一般口座での取引…税務署に調書(取引損益)を提出します
特定口座(源泉徴収なし)での取引…税務署に調書(取引損益)を提出します
特定口座(源泉徴収あり)での取引…調書(取引損益)は提出しません


「特定口座(源泉徴収なし)」での保有株が
38万円を超える値上がりとなった場合、
無策に売るのは考え物です。
保有銘柄が多ければ、利益確定や損失確定することで、
ある程度は申告所得金額を調整することが可能でしょう。
しかし、都合良く利益調整できるような株を持っていない場合は、
上記作戦3あるいは4を検討するわけです。

作戦3には、4週間ほど時間がかかると覚悟しましょう。
もちろん、別途手数料が必要です。

作戦4は、作戦のうちに入らないかも知れません。
長期に安定上昇しそうな業績好調株なら、
翌年の口座を「源泉徴収口座」に切り替えてからの売却も視野に入れましょう。

一般口座の保有株は、他社の特定口座へ移管することはできません。
株式の取得価額を証明できないからです。
株券の現引き(現物引渡し)→株券名義書換→特定口座へ入庫
といった煩雑な手続きを踏んでいると、
入庫までに1ヶ月半から2ヶ月かかることでしょう。
相場の状況次第ですが、翌年の口座変更のほうが手間は少ないです。


時として、値下がり→塩漬け保有株も、大活躍することがあります。
資金回転の効率のみに捉われず、賢く保有・売買して、
賢く税務申告しましょう(^O^)

1月1日生まれは得か

2006.01.01.Sun
休止明け第一弾の記事投稿です(^^)

世間一般では、1月1日に子どもが生まれると、
縁起が良いと持てはやされますね。
反面、12月31日に生まれると、
平成○○年生まれの数字が1つ違ってくることもあって、
あまり歓迎されていないように感じます。

ところが、税制面では全く逆です。
12月31日に生まれると、
1月1日に生まれるより大変有利なのです。


所得税・住民税では、毎年12月31日時点での家族構成で、
扶養家族や配偶者の控除を受けられるか判断します。

ある夫妻に、子どもが生まれたとします。
それが12月31日以前(つまり昨年)であれば、
その子は、昨年は扶養されていたと申告することができます。
年末調整に間に合わずに生まれたならば、
確定申告して還付を受けます。
もちろん、確定申告すれば、住民税額も下がる方向に作用します。
しかし、今年になってから誕生した場合は、
昨年はまだ生まれていないので、扶養にすることができません。

子どもの誕生に限らず、結婚した/養子にしたなどの場合も、
12月31日の状況で判断します。
例えば、
佐藤A男・B子さん夫妻にC美さん(28歳)がいて、
C美さんは毎年96万円の給与収入(給与所得31万円)があったとします。
これまで毎年、C美さんをA男さんが扶養控除の対象者としていました。
このたび、佐藤C美さんは、鈴木D輔さんと結婚(=入籍)しました。
C美さんを控除の対象にできるのは、誰でしょう。
 ケース1…入籍日は平成17年12月31日
  この場合、12月31日時点では、C美さんは
  鈴木D輔さんの家族(配偶者)です。よって、
  D輔さんがC美さんを配偶者控除の対象者にできます。
  (C美さんの所得が38万円超76万円未満の場合、
   D輔さんは配偶者特別控除を受けることができます)
 ケース2…入籍日は平成18年1月1日
  この場合、12月31日時点では、C美さんは
  佐藤A男・B子さんの家族(子)です。よって、
  佐藤A男さん(あるいはB子さん)が
  C美さんを扶養控除の対象者にできます。


命はいつか終わりを告げるので、死亡の場合も解説します。
現況の判断は原則として12月31日時点ですが、
死亡の場合は、死亡した日の状況で判断します。
扶養してもらう人が今年の1月1日で死亡した場合、
今年分の扶養控除対象者にできます。
昨年の12月31日に死亡した方は、
今年は存命でないので、今年の扶養にはできません。

ちなみに、住民税は、前年の所得に対して、
1月1日にお住まいの市区町村で課税します。
(↑住民票上の住所地より、実際に住んでいる場所の住所地が優先されます)
前年12月31日までに亡くなった方には、
課税はありません。
それでは、1月1日に亡くなった方の場合には…。
課税をしないのが通例となっています。
1月2日以降に亡くなった方の場合には、
死亡者の相続人に課税決定通知書を発送します。
わずか1日の違いで、大きな差が出るのです。
心苦しいところではありますが、
どこかで線引きしなければなりませんからね。


結論:税法上は、生まれるなら12月31日、死亡するなら1月1日が有利です。

今年もよろしくお願いします

2006.01.01.Sun
新年おめでとうございます。

ブログの更新、ぼちぼち進めていこうと考えています。
本業あってのブログ活動なので、
更新頻度は落ちるかも知れませんが、
これからもよろしくお願い致します。

…今まで通り、コメント大歓迎ですよ(^O^)
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